Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

引き続き読書中。ただし重量級

十河進『映画がなければ生きていけない 2003-2006』ようやく読了。普通の映画解説と十河氏のそれが圧倒的に異なるのは、映画について語るのと同じぐらい「これまでの自分の人生」を語っていること。映画解説を読んでいるのか、自伝を読んでいるのかわからなくなってくるぐらい。ども、そこがいいのだ。決して、映画の見方を押しつけてこないので、映画を観てしまう前に読んでもそれほど影響はない。ただ、日本映画の記述が多く、自分は洋画を見ることが多いので、紹介された邦画で初めて聞く映画も多い。今もメルマガで最新のものが配信されている。どちらかというと黄表紙の『1999-2002』の方が楽しめた。この2冊でかなりの分量だが、重量、内容当たりの価格で考えるとお買い得なのは間違いない。朝市の商品のように新鮮でお得な逸品である。アイウエオ順の紹介映画名リストがついているのがうれしい。

映画がなければ生きていけない 1999‐2002

映画がなければ生きていけない 1999‐2002

映画がなければ生きていけない 2003‐2006

映画がなければ生きていけない 2003‐2006


映画本絡みで。同じく映画解説本『死ぬまでに観たい映画1001本』。これもすごくいいです。この手の本は、自分が「いいと思っている映画」について「いい評価」が下されていれば、買う価値のある「いい本」だし、そうじゃなかったら買う価値もない。要するに好みがすべて。この本の批評は夢男好みだった。でも、この本はそうじゃなくとも、分量だけ考えても資料的な意味で買い。メリエスの世界初のSF映画月世界旅行」など収録のDVDディスクが付録なので、DVDの値段を考えても絶対お買い得。ほとんど本を買うというより、辞書・事典を買う感じ。

死ぬまでに観たい映画1001本

死ぬまでに観たい映画1001本


引き続き、読書中の重量本。リンダ・リア著『レイチェル』。『沈黙の春』の作者レイチェル・カーソンの伝記。やっと、3分の1まで読み終えた。現在『潮風の下で』を出版した頃の話まできた。
学生時代、抜き打ちのレポート提出の題材として使用した『沈黙の春』。その授業の直前、たまたま読んだからだった。実家が農家だし、学生時代は農学科。就職は農業絡み。そして就農。農薬のことを考えないではいられない環境の中で、よくも悪くもレイチェル・カーソンの影響は受けている。農学関連の専門家が書いた本の中には彼女の業績をあからさまに否定しているものもある。自然環境と工業・商業の狭間にある産業としての「農業」を自分なりに考える上で、必要な課題を提起してくれたのが『沈黙の春』だと思う。そんな意味で、彼女のこれまでの人生を知らなくては片手落ちと読んだのだった。これから『沈黙の春』前とその後。読み進めるのが楽しみである。

レイチェル―レイチェル・カーソン『沈黙の春』の生涯

レイチェル―レイチェル・カーソン『沈黙の春』の生涯


あらためて本棚を見たら、辞書以外の重量本がまだまだあった。本を重さで買ってたのか(笑)しかも買ってから何年もそのまま。漬物石のような扱い。でも、この冬でかなり消化できそう。 紹介はいずれまた。