Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

大事なのは「食」だった

コールドマウンテン [DVD]

コールドマウンテン [DVD]

アンソニー・ミンゲラ監督作品「コールド マウンテン」を見る。南北戦争が舞台のジュード・ロウニコール・キッドマンレネー・ゼルウィガー出演の映画。
相変らずお綺麗なキッドマン嬢待つ故郷コールドマウンテンに戻るため、道中さまざまな苦難を乗り越える脱走兵ロウ。この2人の純愛を軸に、コールドマウンテンの暮らしが描かれる。何もできないキッドマンを助けるのがゼルウィガー。彼女の登場で、それまで暗く悲しくなりがちなストーリーは、明るく元気な方向に向かう。「イングリッシュ・ペイシェント」のミンゲラ監督の作品なので、期待どおりに楽しめた。2時間半もあるのだが、それを感じさせない。
劇中、料理も外仕事もできないキッドマンの生活が描かれるのだが、どうして食べてんだろうというぐらいの困窮ぶり。家、畑は荒れ放題。ゼルウィガーの協力でだんだんと農家の女になっていくのだが、どうしてもそうは見えないところがキッドマン。その点、ゼルウィガーはすごく「らしい」。
映画のエピソード一つ一つにいちいち食べることが出てくる。何日も食べてないだの、食べ物はないかだの、これほど「食べる」に絡んだ話が出てくる映画もないだろう。食べ物が最重要項目なのだ。ロウが故郷に戻る道中は、まるで「母を訪ねて三千里」のマルコそのもの。いろんな親切な人に助けられて、空腹を満たし、暖をとる。
ロウが戻りたいコールドマウンテンがとても美しい。そこには自然と食と住がある。これこそ故郷。そんなところに住んでいるキッドマンに会いたい、と映画を観てる人はだれもが思うはず。そんな仕掛け。
豊かな故郷を支えているのはやっぱり農業。まあ、時代が違うといってしまえばそれまでだが、生活の基本は食なのだとこの映画も言っていたのであった。