Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

美女の映画

先日のナタリー・ポートマンの「ブラック・スワン」「抱きたいカンケイ」に引き続き、観た映画を何本か。

  • 「ブーリン家の姉妹」

BS録画(初見)、☆4
ナタリー・ポートマンスカーレット・ヨハンソン主演のヘンリー8世を巡る女たちを描く。
16世紀のイングランド。新興貴族のブーリン家の娘アン(ポートマン)は一族の発展のために国王ヘンリー8世の元に送られるよう画策される。が、王が目をつけたのはその妹メアリー(ヨハンソン)。心優しきメアリーに対して活発なアン。アンの嫉妬から始まった王宮内の確執。世継ぎの男子さえ生まれれば…。大英帝国の元となる歴史の裏側。その真実とは…。
内容は世継ぎを巡る史実が元。いわゆるイギリス版「大奥」といった感じ。どうみてもただの女たらしにしか見えない(笑)優柔不断な国王に対して、性格は違えども、時代を生きてるオーラ漂うアンとメアリー。まさにポートマンとヨハンソンの二人の映画だ。その二人の姉妹の母親役はK・S・トーマス。本当だったら王妃役といった感じなのに、さすがに若いポートマンとヨハンソンが出てきてはその母親となるのだろうね。王をはじめ、二人の姉妹の父親といい、この悲劇の元ともいえる計画の発案者の叔父といい、この映画に出てくる男たちはどれも情けない…。アンが産んだ女の子エリザベスはその後のエリザベス一世大英帝国発展は彼女のおかげだという。そういった世界史の目で見るとこの映画はただの女たちのドラマではなく、世界の大きな流れの一部なのだなと思う。ラストが心に染みる…。
ちなみにスティーブ・マックイーンが「砲艦サンパブロ」主演男優賞を取れなかったのは、同じヘンリー8世を描いた「わが命つきるとも」がその年のアカデミー賞を総なめだったから。それを知ったらますますこの時代のことをよく知りたくなってきた…。

BS録画(初見)、☆4(ほんとは5だけど陰惨な事件がちょっと…)
アルゼンチン映画アカデミー外国語映画賞受賞作品。
裁判所を定年退職したベンハミン。過去に担当したの事件を小説にしようとしてる。その事件は、新婚の美しい女性が自宅で殺された事件。犯人は見つかったのだったが、不当な圧力でうやむやに…。ところが事件を振り返るうちに新たな真実が…。
アカデミー賞を受賞したとか、映画のストーリーとか全く予備知識なしでの鑑賞だったのだが、観ているうちにぐいぐい引き込まれてしまった。当然でしょう、この作品だったら…。外国語じゃなかったら作品賞にも匹敵すると思う。特にすばらしかったのが、ベンハミン(リカルド・ダリン)の上司の女性イレーネ演じるソレダ・ビジャミル。主人公が密かに想いを寄せる知的な美女をさらりと演じている。若い時から年取った時まで、こんな女性が奥さんだったらいいなと思わせる雰囲気。まあ、この映画全般にいえることなのだけど、老けた感じを出すためのメーキャップがすごく自然。日本映画でもハリウッド映画でも昔よりは良くなったが老けメイクは不自然さが感じられるがそれが全くない。今だとCGを使うのだと思うが、これは違う。
美女といえば、殺される新妻役の女優さんもすごい美女…。でもね、この映画の良さは女優陣の力だけじゃない。主人公やその部下、敵対する上司、新妻の夫、そして犯人。皆、うまい! う〜ん、唸ってしまう。すべてに隙がない映画。
悲劇の事件から始まった映画は思わぬ展開で終わる。硬派な物語からするとラストは少し甘めなのだが、観ている私が年取った方向に向かっているから、砂糖はあってもいいのだと、見終わって非常に満足なのであった。
以前観た同じくアルゼンチン映画「娼婦と鯨」(☆5)も素敵な映画だった(これも美女が出てきた)。「母を訪ねて三千里」のマルコが旅したアルゼンチンという国が、がぜん好きになったのであった。

瞳の奥の秘密 [DVD]

瞳の奥の秘密 [DVD]

娼婦と鯨 [DVD]

娼婦と鯨 [DVD]