Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

グローリー -No.6 -p784

NHK-BS録画(初見)、☆4

南北戦争時代、北軍大佐ロバート・ショーが初の黒人だけの連隊の指揮官となる。黒人たちの志願の理由は様々。当初ばらばらだった兵士たちも訓練と共に次第に連隊一つにまとまる。肌の色は関係ない一人の人間として、誇りと尊厳を賭けて難攻不落の要塞へ挑む。
ウォー・ゲーム」以来、まったく観てなかったマシュー・ブロデリックはここでも軟弱な青年を演じてる。彼演じる戦闘でかすり傷だけで故郷のボストンに戻ったロバート・ショー大佐。父の計らいで黒人部隊の指揮官になってなったことへ不安、戸惑いをうまく演じてる。幼なじみでありながら友人としてではなく、一黒人兵士として扱うことへの葛藤、また友人でもある部下との軋轢、軍隊内の人種差別への抵抗。訓練と共に次第に信頼を取り戻すが戦闘に参加できない苛立ちが皆を揺さぶる。戦いで名誉を得ることで皆、「自由」を手に入れたいのだ。
脇を固める兵士役にはモーガン・フリーマンデンゼル・ワシントン、他。今から20年も前だから、みんな若い。特にM・フリーマンは初期の作品が好きだがこの作品もそう。名優になる前だから一生懸命さが伝わる演技が逆に新鮮。D・ワシントンもそう(この作品でオスカーを得た)。この手の南北戦争物にありがちな男女の恋物語は一切なし。あくまで男のドラマ。いや、青年が男になるためのドラマだ。連隊とか、部隊とかというのは本当は好きじゃないが、それに所属する皆の連帯感というか仲間意識が描かれるととても心が揺さぶられる。死を覚悟して明日の要塞突入を前に、黒人兵士たちはたき火を取り囲んで代わる代わるに歌う、語る。この場面がいい。なぜ、自分はここにいるのか。みな、その意味を自分に問いかけ、答える。語った後、皆拍手する。どんなことを言ってもだ。すごくいい。

「この映画は…(省略)…感動的に幕を閉じるが、そのストレートさは今日の、ものごとを斜に構えてみる流行に一石を投じる。ジェームズ・ホーナーの音楽も英雄たちの物語を盛り上げる。(GC-Q)」(『死ぬまでに観たい映画1001本』)


戦争ドラマだから内容は暗いのだが、見終わった後、逆に心が晴れやかになったのはなぜなんだろう…


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