Apple TV(初見)、☆4
男が一度は見るはずの夢…。「いろんなタイプの女の人と付き合ってみたい。その中から自分に合う人を見つけたい。その際、結婚するとかしないとかは考えないで…」。こんなことはなかなかないわけ(あるかもしれないがよく知らない…笑)で、それが現実になったらどうなるかというのがこの映画のテーマ…
イギリスからNYに着た青年アルフィー(ジュード・ロウ)はリムジンの運転手。「いい人生」を望んでいる。お金があって、お洒落をして、生活を楽しんで、結婚に縛られずにたくさんの女性と付き合いたい。それが彼の望み…。しかし…
「アルフィー」といえばまず最初に思い浮かべるのが、"what's is all about? Alfie・・・"(「生きるってどういうこと? アルフィー」)で始まるバート・バカラック作曲、ハル・デヴィット作詞の名曲「アルフィー」。バート・バカラックのこの曲は大好きで、先日購入のバカラックのライブアルバムで本人が歌ったバージョンを何回も聴いている。
Apple TVでジュード・ロウ、マリサ・トメイ、スーザン・サランドンが出てるということでなんとなく観た同名のこの映画。見終わってから、その名曲「アルフィー」の元映画(オリジナルは1966年のマイケル・ケイン主演の同名映画)だということを知る…。なんということ。しかも、センスのいいと思ったおしゃれな音楽は、担当がミック・ジャガー。なんということ! 最初から気付けよ、オレ。
映画を見終わってから、マイケル・ケイン版の予告編を見てみる。若いマイケル・ケインがいい! シェリー・ウィンタースも出てる。ジュード・ロウも悪くないが、マイケル・ケインはもっとよさそう。こちらの音楽担当は、あのソニー・ロリンズ。ジャズ・サックスの巨匠の彼ですよ。なんということ!
肝心の映画の印象。現代版「アルフィー」のジュード・ロウの印象は悪くない。むしろ、これまで観た映画から彼の印象はいいのだ。「ガタカ」「コールド・マウンテン」「ホリディ」「リプリー」「アビエイター」「A.I.」…。優しい男か、キザ男か。その彼が「アルフィー」ではモテモテの役というのは、あたりまえとはいえ、ちょっとずるい(笑)
マリサ・トメイとスーザン・サランドンが素敵なのは予想通り。目を惹いたのはニッキー役のシエナ・ミラー。最初はとんでもない女と思ったのだが、その実、心からアルフィーを愛する女…。ジュード・ロウはこの作品で出会ったシエナ・ミラーと婚約したという(2006年に破局とのこと)。画面からもそれはわかる気がした。「ゲッタウェイ」のスティーブ・マックイーンとアリ・マッグローも画面からあふれてきたもんね、気持ちが…。
主人公がカメラ目線で独白する映画は一歩間違うとはずしそうだが、この映画に関しては成功していると思う。またマックイーンの「華麗なる賭け」以来観た、画面の複数分割。音楽と相まって、すごくお洒落!
NYでベスパ*1を乗り回すアルフィーは本当に大切なのが何かを学ぶ。そう、もてる男は実は不幸なのだ。もてない男こそ、ありのままで本当の愛をつかめるかも…。
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*1:「ザ・インタープリター」でもニコール・キッドマンがNYでベスパに乗っていたけど、これは偶然!?