Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

農業とパソコン

このブログでは最近ソフトバンクの携帯電話、X02HT関連の記事が多かったですが、夢男は実のとこ、携帯電話が大嫌いなのです。何かやってる時に鳴り響く携帯のベルの音。聞くだけで嫌になっちゃう。邪魔邪魔。恋人からの電話を待ちわびているわけでもないから、なおのこと。

何を隠そう、何年か前まで、この近所の若手で携帯電話を持ってないのは私だけでした。
「夢男君、何で携帯持たないの〜」「だって、農作業には必要ないからいらない」「今安くなったよ」「安いけどそれでも何千円だから、いらないものはいらない」「メールとか便利だよ」「パソコンで間に合ってるからいらない」「いちいち、家の人に電話を取り次いでもらわなくてもいいよ」「(独身時代から持ってた)電話、もう一回線あるからいらない」「彼女からの電話ある時、便利だよ」「もはや、彼女いないからいらない」(笑)「会社からの女の子からのメール、楽しいよ」「うちの会社(田畑)には、女の子いないからいらない」(大笑)
そして、「持てばいいのに。カワッテル〜」という空気。そうね、そんなことにこだわる道具じゃないのに。ただの電話。その電話が昔から苦手なのだ。電話無精。人嫌いというわけじゃないのだけど。

それでも、冬のバイトを始めたこと(社員さんの「携帯持ってないの」という驚きの表情)、消防団班長になったこと(みんなパソコンメール、拒否の設定だったのだ。班員との連絡に必須)で必要に迫られ、やもなく購入(それも無駄が嫌だからとプリペイド)。それでも携帯を持っているのに電話に出ない人で有名でした。だって、部屋に置いておくから。農作業の邪魔にはなるし、汚れた手で出られないし、充電したまま。出られるわけない。メールはパソコンで間に合うし、かったるくて携帯で入力なんかしたくない。もともと電話嫌いだし、だったらいらないじゃん、という感じでした(笑)。子供の送り迎え(学校のいろんな行事)、いつ何時あるかわからない年寄りの緊急事態で家族間連絡には必須なのですが。ある時、スマートフォンというものを知り、積極的携帯電話好き以外にぴったりだと思いました。これは「電話以外」でかなり使える(遊べる)代物だ、と。基本料金がかなり下がったこともあって、それならばとプリペイド以外で購入した最初の携帯がX02HTなのでした。

サラリーマン生活から農家生活になって14年。パソコンは自分にとって唯一の「都会と繋がっているもの」だったのでした。前の職場の先輩のアドバイス、「夢男君、これからはパソコン通信だ。田舎戻って農業やるなら、ぜひ必要だ」。その言葉どおり、大枚はたいてモデムを買いました。ニフティサーブにも入りました。パソコンに表示される文字だけの画面は、泥臭い古くさい農業にいろんな「いいこと」をもたらしてくれそうでした。次々に頭の中に広がるハイテク農業の妄想。

これまでずっと農業やってて、なんか違うんです。農機具が電子制御になっても、携帯電話をもって農作業をしても、何か違和感感じまくりなのです。表面的にはハイテクなことをやってても、薄皮一枚はがせば、昔から延々と続けられているだけの内容を同じようになぞってるだけ。それが農業。なんか、ハイテクでも超ローテクでも、実質的な差があまりないという農業の柔軟さ、というか曖昧さ。なんという懐の深さ。

12月になるとひと月だけ行ってる贈答荷物の発送作業のバイト。与えられた端末は、モバイルプリンター付。きっと高価であろうこの機器を使って何百も荷物を処理していく、今どきの情報処理。でもね、最初はそのハイテク度(あくまで自分基準での)に驚いたけど、やっているうち自分がただのオペレーターのような気がしてきた・・・これじゃ、誰でもいいじゃん。ひたすら処理する処理する。ハイテク(この程度はハイテクといわないのだろうけど)だけど、なんだかな〜。楽しくないんです。

農業でのパソコン等の利用。利益を生むように使えば、ほんと経営改善の道具。でも、研究機関の情報分析ならともかく、自分の経験に基づく消化できる範囲での情報だけ農業をしても、収入にそれほど極端な差はないと思うのです。私たち若い年代の情報機器を使いこなした農業力と携帯も使わない年寄りの農業力、どっちがすばらしいの!?

映画では、パソコンの画面の地図がどんどん拡大されて、ある人物が写り、その人のあらゆる情報がどんどんリンクして、最終的に重要な計画が実行される、なんて場面がよくあります。農業でもこんな風にできたらすごい! 夢です。でも、よく考えてみます。サポートするのはだれ。計画を実行するのは誰。「ミッション:インポッシブル」のイーサン・ハントがパソコンのキーボードをたたいて情報を引き出せたり、小道具で任務を遂行できるのは、裏方の多くの人たちの努力があるから。
それでは、夢男家での「農業『ミッション:インポッシブル』化」を支える裏方とそれを遂行する人物は誰! それは俺?!
システムを作っている間にキュウリもぎ、するのは誰。それは俺!(笑)
あらら、壮大な計画じゃないですか。

モデムを買って、ニフティサーブとともにUターンしてから、十数年。パソコン事情は様変わりしました。今では、夢男家の家や田畑、そしてこのブログのプロフィール写真の「堤」が、Google Maps でばっちり表示されます。ジオタグ付の画像ファイルなら地図上に表示されるのですかね。そういうデジカメは持ってないけど。農地の衛星画像、いろいろと使えそうです。スマートフォンX02HTには、PDF、Excel、Wordファイルが表示できます。パソコンでの施肥設計、帳簿、参考資料などをX02HTに入れて、ちょっとしたことでも見たい時にすぐに見れます。電話機としてよりもビュアーとして有用ですかね。無線LANの電波はなんとか畑までは届きそうです。パケット通信を使わず、Webの情報も見れそうです。ローカルのWebサーバー利用で、html形式に変換した超漢字上の日記も見れるといいかもしれません。作物の生育状況を記録した画像はメモ付でさくさくとアップロードできたらいいね。やってないけど。

ほんとはね、「夢男家の農業・HyperCardスタック」が夢だったのです。初めて買ったパソコン「Macintosh ColorClassic」でそれを作るのが、Uターン前の夢でした。家や田畑をクリックするとその時期の田畑の様子がアニメーションや動画、画像、音声で再現されるのです。過去から未来まで、時間軸を自由に移動できる。その気になれば、越後から移住してきた先祖まで、その足跡をたどれる。子供たちの成長アルバムも兼ねて、ビデオ映像もまとめて見れる。これまでの自分の人生の記録にもなってて、そのポイントポイントで影響を受けた本や音楽を紹介できる。子供たちが親の人生もたどれて、その失敗を自分の人生に活かせる(見たくもないでしょうけど)。そして、自分が最後の最後にそれをぼーっと見る。パソコンをずっと使ってきて、それはものすごく大変で無理で夢だったことがよくよくわかりました。だけど、農業でパソコンを利用ということを考えたら、これができないと意味なさそう。そうじゃないと農業が表現できないような気がします。いや、これでも足りないです。さらに言ったら、実際の農業でしかありえないです。ちゃん、ちゃん、ということです。

やればやるほど、農業は人の完全管理は難しいことがわかりました。できたとしても、普通の昔からの何もなかった時代の農業とはかけ離れた形になるばかり。ある程度、自然に良きに計らってもらうしかないと思うのです。
嫁さん曰く「なにしてんの」状態の夢男のパソコン状況の中で、スキルや予算も少ないながら、今どきの機器をちょっとでも農業に絡めるのは、非常に楽しいです。
よくわからないことが多い農業だから、ちょっとわかった気になってパソコンなどの「都会と繋がった機器」を農家生活に絡めるのが楽しいです。それは遊びだから。

完全防水・防塵・対衝撃・音声入力対応・GPS機能・無線LANBluetooth内蔵のiPhone、それに対応したいろんなデータをぶっ込むと良きに計らってくれるMac miniのようなパソコン本体をセットで出してくれませんか、Apple様。そしたら、ColorClassicでニフティサーブに入り、HyperCardでああしたい、こうしたいと思った夢が見れそうなのですが*1

*1:tsujiiさんもそう思いません? 思いますよね(笑)