ずっとあなたを愛してる

DVDレンタル（初見）、☆4

クリスティーン・スコット・トーマス主演のフランス映画。
15年間、刑務所に服役してきたジュリエット（K・S・トーマス）。妹のレアの家に世話になることに…。年の離れた姉妹ゆえ、会わなかった年月の壁は大きく、互いにギクシャク。なぜ、ジュリエットは刑務所に入ることになったのか…。そして、彼女の秘密が明かされる。

とても切ない映画。なぜ、ジュリエットは刑務所にいたのか。映画終盤まで真実は明かされない。

題名の「ずっとあなたを愛してる」はいろんな意味が含まれている。妹の姉への愛。年老いた母の娘への愛。そして、母から子供への愛…。
この映画に出てくる人はみんな寂しげ。ジュリエット、レア以外にもレアの同僚（刑務所での教員経験あり）、ジュリエットが定期的に出頭する警察署の警部（離婚で生き甲斐を見いだせない）、レアの母親（認知症で娘の顔もわからず）。唯一、明るいのはレアの養女であるの二人の子供。救いは、子供たちの笑顔と声を失ったレアの義父の微笑み。
ジュリエットは時折、常に書斎で本を読んでいるおじいちゃんの部屋に行くが、そこはつい寝てしまうほど安らげる場所。また、妹の娘たちとの時間を心から楽しんでいる。それらが、ジュリエットの思い出したくない過去、いや、忘れてはいけない過去から、ほんのちょっとだけ逃れるための避難所になっているみたいに…。
出所当初は険しい表情だったジュリエット。怖いぐらい。でも、レアの家族になじむにつれてその表情は柔らかくなる。
ジュリエット役のクリスティーン・スコット・トーマスはお気に入りの女優さん。「イングリッシュ・ペイシェント」を始め、その役は知的で心の強い女性を演じることが多い。知的で冷たい表情もするが、笑顔がたまらなく魅力的。この映画でもそう。
ジュリエットと同じ立場ならば、はたしてどうするか。もし、同じならば…。