Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

奇想の20世紀 (NHKライブラリー)

奇想の20世紀 (NHKライブラリー)


博識、荒俣宏の「かつての最新技術・最新風俗だったもの」解説本。19世紀から20世紀初頭の人々が夢見た未来、つまり、私達が生きる20世紀後半からの時代は、当時の技術・風俗がもとになって形作られていることがよくわかる。結局、今があるのは19世紀があるからなのだ、なんて、あらためて思ってしまった(あたりまえだ!)。結局、今のこの豊かなと便利さは、すべて産業革命に始まるのだ。


先日の「アガーフィアの森」のシベリアの森の中に潜んだ家族たちが、現代人たちと出会って話した時、飛行機が存在することは全く驚かなかったらしい。古い書物に「鉄の鳥」が予言されていたのを読んでいたからだ。また、夜空を見て、「星以外の何か」が飛んでいることにも気付いていた。人工衛星のことだ。当然、内容を説明しても信じなかったようだが。とにかく、山にずっとこもっていたからといって、全く文明の影響を受けなかったわけではない。薄々気付いてはいたのだ。だって、親たちは人々の中で暮らしていた時もあったのだから。


同様に私達が「今」を生きているのは、大昔からの「歴史」があるからだ。ありとあらゆることは過去の歴史なしで成り立っているのではない。ある程度、昔の人たちから予想されていたこと。


そこで農業はどうか、と考える。なんだか、基本的に変わっていないことに気付く。家族のあり方もそう。基本的に変わっていないことなら、基本的なことは変えてはいけないのでは、と思う。変えたらそこで終わってしまうのでは、とも思う。農業に変革を求めるが、変わってはいけないのが農業、とも考えてしまった。う〜ん、どんなものなのか。