Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

「天花」の中の農業

 朝のNHKの連続テレビ小説天花」は、滅多にない農業を題材にした物語ということで、毎朝、農作業前のお茶の時間に家族みんなで見ているのだが、前作「てるてる家族」と違い、なんだかいまいち盛り上がらない。かつ、ちょっと気になることがいくつか。
 1) 4/21の話は、天花が喧嘩が原因で短大の推薦入学を取り消されたということだったのだが、その話を聞いた天花のじいちゃんが短大にお願いに行くところで変に思った。というのは、普通の服なのだ。なおかつ、作業着姿の農家仲間も一緒。おまけに持っていったものは、自家製の干し柿と干し大根。孫もことを気にかけ、学校に行く農家のじいちゃんというならば、昔から着ている背広を取り出してきて正装して行くはずでしょう。手土産も自家製のものではなく、お酒とか、ちゃんとした品を準備するはず。別に作ったものが悪いのではなく、自家製のもの=たいしたものではない、贈り物=きちんと店から購入したもの、という認識なのが農家の年寄りだから。自家製のものはむしろ、息子の嫁の家とか、東京の友人の住職へ贈るはず。
 2) 4/22、じいちゃんが天花に種モミの塩水選を説明している場面。外は一面真っ白な雪なのに塩水選はないでしょう。ちょっと、常識では考えられない。いくら何でも、これは桜の咲く季節にする作業でしょう。これじゃ、あんまりだ。それとも宮城じゃこれが普通?
 3) 同じく4/22、じいちゃんの息子の香川照之が東京の保育園で「ずんだもち」の準備をしている。冬なのに茹でて豆をはじけるようなエダマメがあるのだろうか。冷凍だとすれば、すごくおいしくない「ずんだ」。むしろ、前の夏に「ずんだ」にして冷凍したものの方がおいしいかもしれない。ちなみに夢男の住む土地では「ずんだ」は「じんだん」となる。

 これから物語は天花がじいちゃんと農業をする方向にいくのかもしれないが、夢男も同じ東北の田舎で農業をしているので、どうしても現実からかけ離れたことには目をつぶれない。まあ、ドラマだからしょうがないと言ってしまえばそれまでだが、せめて、以前あった和久井映見主演のテレビドラマ「夏子の酒」並の農業考証は欲しいところだ。これからに期待。