ベルンハルト・シュリンク『帰郷者』読了。以前に読んだ『朗読者』があまりにもおもしろかったので、かなりの期待で読んだのだが、この作品は自分には合わなかったようだ。そもそも主人公に感情移入できなかった。ナチ戦犯がキーワードの前作よりも内容が難しすぎた。そもそも『オデュッセイア』とはなんぞや、という感じ。これがよくわからないと理解が深まらないことは間違いない。スイスの祖父母のもとで暮らした少年時代の描写やバーバラとの関係など、読み進むとどんどんその世界に引き込まれたので、後半の難解な展開がちょっと肩透かしをくらった感じ。映画にでもなったほうがむしろわかりやすくなるのだろうか。
- 作者: ベルンハルトシュリンク,Bernhard Schlink,松永美穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11/01
- メディア: 単行本
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