今朝、起きたら嫁さんの顔色が良くなかった。夜中から胃のあたりが重苦しかったらしく、それに加えて下痢をしているらしい。これはもしかして、今話題のあれかと思い、かかりつけのお医者さんへ行った。結果、やっぱりそのようだ。安静にして回復するのを待つしかないらしい。食欲がないこともあり、とりあえず、点滴をすることになった。その間、側についていることになったので、こういうことがあるかもと持ってきた本を読むことにした。マイケル・クライトンの『アンドロメダ病原体』だ。
途中でトイレに行ったので、本をベッドの上に置いた。席を立っていた間、年配の看護婦さんがその本のタイトルを見てしまったらしく、戻ったら看護婦さん曰く「すごいの読んでるね」。
それって、どういう意味!? やっぱり、診察室で読む本じゃなかったか。妻が大変なときに能天気にそんな本を読んでて、ひどい旦那だと思われたかも。本のTPO、気を付けなきゃ。
その『アンドロメダ病原体』だが、彼の若かりし日の作品。発表は1969年。落下した人工衛星に付着した未知の病原体を描いたこの作品は全く古さを感じさせず、読みごたえ十分。読んだのはブックオフで見つけた単行本だが、真鍋博氏の表紙イラストがよい感じ。彼が原作*1の『ジェラシック・パーク』が、映画の出来よりも小説の方が数倍おもしろいように、この作品もまた、骨太な人間ドラマが興味深く楽しめる。さすがにコンピュータなど機器の描写は時代を感じさせるが、それ以外は現代でも十分通用するように思う。どっちにしろ、「最新技術」はすぐに最新じゃなくなるから、重要なのは「人物像」や「プロット」。テレビドラマ『ER』がおもしろいのも「人間ドラマ」だからだ。また、映画監督としての彼の作品*2もおもしろいと思う。