Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

「モンスター」

昨晩、GyaOで観た映画。ドラえもんとは正反対の映画、これは。でも、犯罪を扱った映画だけど、なんというか、犯人に対して憎しみを抱いてしまう類の映画ではない。むしろ、同情してしまうかもしれない。シャーリーズ・セロン演じるアイリーンよりもその友人クリスティーナ・リッチのほうがある意味、残酷でもある。また、途中で殺されてしまう客の男たちも実はひどい(全員じゃないが)。
美人女優シャーリーズ・セロンは映画「スタンドアップ」でも、鉱山労働者を演じていたり、きれいなかわいいばかりの役だけでなく、社会派の作品に出演している。ジェシカ・ラングもそうだが、ただ綺麗なだけじゃない女優さんは、さらに輝いて見える。
数少ないアイリーンを心配する友人役がブルース・ダーン。先日DVDで観た「サイレント・ランニング」から比べるとずっと年を取ったが、目の輝きは同じだった。目は気力。目の輝きを失わないことは、精神的若さを表していると思う。
連続殺人犯を演じたシャーリーズ・セロンは、役作りのため13kg太り、特殊メーキャップで犯人の風貌を再現したという。目の輝きという意味では、メーキャプの下から見える彼女の目はすごくきれいな目をしていて、とても殺人犯とは思えない。そういった意味では、映画「モンスター」が気分が悪くなるような映画にならなかったのは、すべて彼女の力量なのかも知れない。その点、映画「危険な情事」のグレン・グロースの目の怖かったこと。彼女もすばらしい演技だったが、映画の主張したいことを考えると、「モンスター」は怖ければいいってもんじゃない、と娘の父である夢男は思ったのであった。