Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

読書三昧

うっかりしたことにキュウリ苗の注文を忘れていて、定植予定日が1週間ほど遅れることになってしまった。農家にあるまじきミスだ。6棟あるパイプハウスのうち、2棟は大雪で屋根のビニールを除雪途中ではがし、中に雪を投げ込んでしまっていたので、もともと定植日は遅れるはずではあった。だが、残り4棟分は例年通りの4月第1週の定植予定だったのだ。それが遅れることになってしまった。遅れてしまったのはしかたがない。でも、例年よりまだまだ雪はいっぱいだし、毎年、温度条件は変わるので、早く定植したからといって、それが即、収量増につながるわけではない。もしかしたら、遅いことで順調に育つこともあるし、価格の高いところに収穫のピークがくる可能性もあるのだ。などといって、自分のミスを棚に上げ、「いましかない」からとやっておきたいことをやることにした。


まず、手っ取り早いこと、「読書」をする。
百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]』 Think the Earth Project
風の谷のナウシカ 7宮崎駿
都市―ローマ人はどのように都市をつくったか』 デビット・マコーレイ
楽しい終末 (文春文庫)』 池澤夏樹
絶滅動物データファイル (祥伝社黄金文庫)』 今泉忠明
静かな大地』 池澤夏樹
とりあえず、以上の本を読了または途中。
こうして、署名を並べてみると今回はテーマが似ていることに気付いた。「人間と文明」「自然と環境」といったところか。意識して、図書館から借りたり、購入したのではないのだが。
決して、文明に対して批判的な傾向があるとか、そういったことはない。でも、農業が職業だけに自然や環境など自分の身近にあることには興味がある。また、過去の歴史があって今の生活があるわけで、これからも自分が死んだ後にも歴史はつくられるのだから、今までに何があったのかは知りたい気持ちはある。知らないことを知りたい。だから、本が好きなのだ。


・百年の愚行
多くの写真に写されたことは、「もっと微細な規模」で自分のまわりにも存在することでもある。


風の谷のナウシカ
アニメ版を子供向けとするならば、原作はまさに大人の世界。アニメを見ていて疑問に思っていたことの答えがここにあった。


・都市〜ローマ人はどのように都市をつくったか
ローマ時代の都市の作り方絵本。古代のローマの生活が非常に分かりやすい。水道橋はなぜあんなに高いところにあるのか。その理由を知るだけでも読んだ価値があった。


・楽しい終末
いろんな「終末」が「夏樹節」で語られる。どんなことにでも、終わるときは終わるのだから、最も信じられることを大事に生きよう。夢男にとっての大事なことは・・・。


・絶滅動物データファイル
動物は動物の世界、人間は人間の世界、自然は自然。ということは絶対にありない。それぞれがお互い影響しあっていることを「いなくなった動物たち」は教えてくれる。現在いるものはそのことに気づかないか、気づかないふりをしているだけ。


・静かな大地
歴史の一項目としか知らない北海道開拓。そこでは何があったのか。


一年で本を読んでいるのは今の農閑期がほとんど。夏場はひたすら働き、作業中は考える。土日だからオフ、平日だからオンってことは絶対にない農家生活では、年間を通した生活の中にこそ、喜びや大変さもある。それがわからない人って、けっこういるんだよな〜。「冬はなにしてるの」って聞いてきて、「家族みんなで休んでるよ」というと変な顔をする人がいる。でも、これって本当はうらやましいでしょ。ただし、そんなに儲かるものではないけど。(笑)