正義を謳うものは信用がならないということを聞いたりするけど、今回観た2本は自分の体の奥底に突き刺さるような映画だった。
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 ☆3.5 (金融システムがよくわからないので☆減)
何年か前に全世界に衝撃を走らせたサブプライム住宅ローン危機(リーマンショック) がなぜ起こったか、その中で巨額の富を築いた経緯を描いた作品。クリスチャン・ベール、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットが出てくるけど、もっとも共感できたのはスティーヴ・カレル演じるヘッジファンド・マネージャー。業界にいながら、その汚さ(銀行とそれを取り巻く金融システム)に怒って仕事をしている。そんなに怒るのなら妻役のマリサ・トメイがいうように辞めたらいいのに逆に「正しい仕事」に突き進む。そんな彼の正義感がとてもよく伝わる。その部下たちとの関係もとてもいい感じ。
『L.A.コンフィデンシャル』 ☆4.5
何度も見ている刑事・サスペンス映画の傑作。50年代のロサンゼルスを舞台に腐敗した警察とギャング、若き刑事たちと都会に生きる女たちを小気味よいテンポで描いている。この映画のケヴィン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアースと彼らが演じる役は、僕的に彼らの最高傑作だと思われ。若いラッセル・クロウ刑事なんて、とても良すぎてそれ以降の彼の出た映画は見たくないぐらい。今現在、それは変わっていない。
真実の愛、論理上の勇気と我々の暮らす文明社会への希望を失った大いなる悲しみの中で、刑事と女たちは衝突する。(ET)
(『死ぬまでに観たい映画1001本』より)
今、農業をしていても、かつて給料取りをしていた時も、世の中の理不尽さに出会わないということはなかった。残された道は、その理不尽さの中で自分が正しいと思える道を突き進むしかないだ。