Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

『アメリカン・ラプソディ』

アメリカン・ラプソディ [DVD]

DVD、☆4

スカーレット・ヨハンソン主演、エヴァ・ガルドス監督の実体験*1を基に作られた映画。冷戦当時のハンガリーアメリカに亡命途中の一家。一人の赤ん坊(ヨハンソン)がハンガリーに取り残される。アメリカに住む実の家族との再会。少女の成長と苦悩を描いた秀作。日本劇場未公開。

初めに言っておこう。スカーレット・ヨハンソンが大好きと書くと僕がロリコンかグラマー好きかと勘違いされそうだけど、それは違うと声を大にして言いたい。彼女は今やハリウッドきっての大スターで、グラマー女優でありながら演技派でもある。マーベルの『アベンジャーズ』シリーズは彼女があってこそだとここでも声を大にして言う(しつこい)。つまり大ファンだということだ(笑)

彼女を知ったのは、ロバート・レッドフォードの『モンタナの風に抱かれて』で、馬から落ちて足が不自由になった傷心の少女を素晴らしく上手く演じている。一見、表情からは内面がわかりづらいかと思いきや、その演技は繊細そのもの。まだうちの娘が小さかったのでまるで自分の娘が大きくなった時のことを想像した。で、そのあとウディ・アレン『マッチポイント』で衝撃を受けて『ブーリン家の姉妹』で衝撃のさらなる駄目押し。少女が大人になるということを思い知らされたのだ。うちの娘もいつか…。がーん。

ワゴンセールかなんかで買ってた『アメリカン・ラプソディ』だけど、ずっとそのままだったのを今ごろ観る。予備知識なしで観たのだけど本当に地味な作品。母親役があのナスターシャ・キンスキーということも途中で気付いたぐらい。キンスキーといえば、『テス』『キャットピープル』の印象が強いけど、この映画ではごく普通の母親役に徹している。ヨハンソンは再会した家族との慣れない生活、多感な思春期の少女を丁寧に演じている。『モンタナの風に抱かれて』のちょっと後の作品で、演技で成長がよくわかる。今ではハリウッドのトップスターだもんね。

この作品ももっと前に見ていれば、生き方を親の都合によって翻弄される主人公の少女側の気持ちになって見れたろうが、またもやキンスキーら演じる、実の親の側、あるいはハンガリーの育ての親の気持ちが「痛いほど」分かってしまうのだ。娘を持つ親にはほんとヤバい作品なの…。(泣)

*1:インタビューによると、『地獄の黙示録』のアシスタントを務めていた時、プレイボーイ誌の慰問シーンのモデルを演じたコリーン・キャンプが「映画にするべき」と言って、製作と脚本共力を引き受けてくれたとのこと。