Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

人は全てを繰り返すのだと再確認…「愛と哀しみのボレロ」

BSプレミアム(2回目、初見は35年前)、☆5

 昨日、テレビの録画リストを開いたら、この映画を録画してたことを思い出した。再生してみたら、ヤバいと思い慌ててテレビのスイッチを切った。音楽が聞こえてきただけで泣きたくなる映画だからだ。自分的にヤバい映画の一本なのだ。

 クロード・ルルーシュ監督・脚本・製作の185分の長編。それだけではない。音楽は監督と何度も組んでるあのフランシス・レイ。そして大好きなミシェル・ルグラン。音楽担当が二人だぜ。あり得ない。映画の内容は簡単にいうと「45年にわたる4カ国の4家族とそれをとりまく人々と偉大な作曲家の2人の音楽が織りなす壮麗な人生のタペストリー」(夢男評)。
 
 前回見たのはテレビの洋画劇場。Wikipediaによると、フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」放送日:1985年11月2日だったらしい。とすると僕は18歳。高三だわ。当時、テレビの洋画劇場、たまには劇場でいろんな映画を見まくっていた頃。大人な人生満載のこの映画には圧倒された。何に圧倒されたかって?それは人生の重さ。まだ見てない自分の人生を重く感じてしまってのだ。内容を深く理解できることは少なかった。でも、何か大事なことをこの映画は語っていることだけは僕にも理解できた。そしてその音楽にとても惹かれた。圧巻!初めて知ったラヴェルの「ボレロ」。
 19歳になって6畳間の下宿に住んだ。通販でこの映画の輸入盤のサントラCDを買った。たしか初めて買ったCD。当時はCDが普及し始めたばかり。このCDが聞きたくて無けなしのお金で型落ちのCDプレーヤーを買った。百回以上聞いているはずだ。今もiTunesに入っているのでときどき聞いている。

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昭和の終わる頃、サントラ盤の聖地「すみや渋谷店」から通販で買ったCD。西ドイツ盤

 50歳過ぎて嫁さんと一緒に観た「愛と哀しみのボレロ」は、子どもの時と違って見えた。よくわかる人生の言語で書かれた人生についての話だった。男と女。家族愛。戦争のもたらす不条理。運命の皮肉。そして生きることの喜び!もはや自分たちのこの映画を観る目線は親としてのそれ。でも、映画自体のすばらしさは全く同じように感じられたことはとても自分に安心した。
 めったに放送されないこの映画がNHKで放送されたということに企画した人の良心を感じたというのは言い過ぎだろうか。


愛と哀しみのボレロ Blu-ray

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Les Uns Et Les Autres

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