Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

メランコリーじゃない状況で映画「メランコリア」を見た

連日、雪は降ったりやんだり。娘の駅置き自転車を取りに行き、まだ使うからと先延ばししてた軽トラのタイヤをスタッドレスに換えたり。消雪用の地下水パイプを設置したりと毎年の作業をいくつか。
そんな感じで久しぶりに家で映画見る。

GyaO(初見),☆3

ラース・フォン・トリアー監督作品、キルスティン・ダンストシャルロット・ゲンズブールってだけで、ちょっとめまいがしてしまう。この女優さんたちは出てくるだけでいろいろと大変なことが起こってしまう気がするのだよね。キルスティン・ダンストはいつまでも「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の吸血鬼のイメージが強くて、とても小悪魔的だし、トリアー監督は「ドッグヴィル」は何とか見たけど、「マンダレイ」はものの15分ほどで断念。シャルロット・ゲンズブールが出てる「アンチクライスト」はもう見ることはないでしょう。いろんなに意味で怖いから。今回の映画もメランコリアていうから、もしかして鬱な内容で後味悪くなりそう、とたいして期待もせずに見始めたのだが、それがあーた、意外に俺好みで、それもSF映画だったのですよ。

冒頭から超スローモーションの幻想的な映像が始まって、地球と太陽系でない別な惑星の衝突(いきなりでるのかっ!)まで、重厚なクラシック(ワグナーだそうな)と延々と10分近く。まさかのSF映画か。それが終わると第一部「ジャスティン」。キルスティン・ダンスト演じるジャスティンの目線である。結婚式を姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)が仕切るが、なぜだかグダグダ状態のジャスティンと、既に離婚している両親(とても変人なんである。ジョン・ハートシャーロット・ランプリングという個性派)など、出てきたと思ったら披露宴を引っ掻き回しでせっかくの見てるのが切なくなってくる。グダグダ映画でがっかり。
ところがそうこうしているうちに第二部「クレア」が始まりドラマ的になる。今度は姉のサイドである。ここにきてキルスティン・ダンストはびっくりするぐらいまともな感じで、逆にクレアとその夫のキーファー・サザーランドがいろいろとやってくれる。ところがここからはとてもSF映画的進行でとても面白くなるのだ。最初からそれでいってくれたらよかったのにとも思ったが、ラース・フォン・トリアー監督にしては見やすくまともだったのでよしとする。なんだか昔見たタルコフスキー監督の映画「サクリファイス」を連想した。あんなに難解ではなかったけどね。実はこの映画はSF、SFしてないSF映画だったのだ。