Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

素敵があふれるカフェの映画・・

バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版

BS録画(初見)、☆4(こんなにセリフがなくても伝わるとは・・)

名曲"Calling You"。この曲を初めて聞いたのは、結婚前、嫁さん(になる人)がホリー・コール・トリオのCDを貸してくれた時・・。しっとりとしつつもホリーの安定感のある声と相まって、すぐさまお気に入りの一曲となった。でも、この曲が映画「バグダッド・カフェ」の主題歌であることを知ったのはそれから数年経ってから。結婚後、二人で知人宅を訪れた折り、そこの奥さんが最近気に入ってる映画だと言ってこの曲を聴かせてくれた時、ああっ、と思ったわけだ。
映画で歌っているのは、ジェベッタ・スティール。この曲は80組以上のアーティストが取り上げているそうだが、本家はさすがに聴かせてくれる!!

まあ、そんなことで偶然に映画「バグダッド・カフェ」の主題歌だとわかった"Calling You"。タイトルを聞いたら「バグダッド〜」を連想しなきゃ、というぐらいの曲だったのに・・抜けてる・・(苦笑)。でも、そうはわかっても、それ以降もこの映画を観る機会は訪れなかった。かつ、おとぼけもこれで終わらなかった・・。つい最近までずっと、ラブソング、つまり恋愛映画の主題歌かと思ってたのだった。だって、この曲の雰囲気がそうなんだもの・・。

また、Facebookの友人Sさんが「ハ行三名作映画」として絶賛してたのが、この映画「バグダッド・カフェ」でもある。その時のFacebookのコメントでも、友人たち皆、絶賛のこの映画。これまで何回も観る機会を逃すも、"Calling You"以外の知識がないままに、ようやく先日のBS放映を視聴できた。やった!!


ところが映画の冒頭から、荒野でのおっさんのおし○こシーン。とてもすてきな夫婦とは言いがたい二人。そして大げんか・・。
なんじゃ、こりゃあ。"Calling You"の雰囲気にはほど遠い映画が始まるのか・・。そんな想いは、古びたカフェ「バグダッド・カフェ」の女主人と夫との夫婦喧嘩で最高潮。しまった、とんでもない映画を観てしまった・・。

ところがだ、そんな印象はすぐさま吹っ飛んでしまったのだった。


Bagdad Cafè - Calling you

フリーウェイが開通して閑散となった旧道沿いの古びた落ちぶれたカフェ。漂う哀愁はまるでディズニー映画「カーズ」のあの町と同じ空気・・。喧嘩してダンナと別れ、歩き出したドイツ人妻のジャスミンがたどり着いたのはそんな場所。喧嘩したとはいえ、夫に置いて行かれたのだから、心細いはずのジャスミン。挙げ句の果て、行き着いたカフェがそこだ!!

精彩を欠いたカフェの家族とその滞在者。しかし、ジャスミンがその空気を一変させる!! 私の心のもやもや。ジャスミンがふうっと吹き飛ばす!!


この映画は素敵! 何がいいって、出てくる人たちも舞台もモノもとても魅力的。

  • 黄色い"ローゼンハイム"ポットが素敵!(アメリカンじゃないすごく濃いコーヒーなんでしょうね)
  • 喧嘩して家を出てても双眼鏡で女主人ブレンダの様子をうかがうヘタレダンナが素敵!(「ブレンダって、やつは!」の台詞が心に残る…笑)
  • ほこりっぽい荒涼としたアメリカの田舎がこんなに素敵!(これほどまでに素敵に見えたことはない!)
  • 場に似合わないバッハの曲を奏でるカフェの息子が素敵!(「この人は僕の音楽をわかってくれる!」に共感!)
  • タトゥー彫りの女性がモーテルを出て行く理由が素敵!(とても気持ちがわかります・・)
  • ブーメランが素敵!(これに匹敵するブーメランは「マッドマックス2」のものしかない!)
  • マジックショーが素敵!(劇中、異彩を放っているシーンだが素敵! なんだか、大好きなミュージカル映画「ヘアスプレー」を思い出しました)
  • 映画全編の「色」が素敵!(『バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版』だから、なおのことか・・)
  • 音楽が素敵!(解説するまでもない・・)


この映画は友人Hさんによるとまったりと観るのがおすすめのよう。元気がない時、落ち込んだ時。また、何もしない、何も考えたくない時、特におすすめです。


「わたしはあなたを呼びつづけているのよ...」

誰かがあなたを呼んでいるのかもしれません・・・
あなたが誰かを呼んでいるのかもしれません・・・