Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

月に囚われた男

DVDレンタル(初見)、☆3

近未来SF映画デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズ長編映画監督デビュー作品だそうな。
近未来、資源の枯渇した地球を救ったのは、月の裏側から採掘しているヘリウム3というエネルギー資源だった。この魔法のエネルギーを握っているのはルナ産業という会社。作業員として一人だけ月に派遣されているのがサム(サム・ロックウェル)。月にたった一人。もうすぐ3年にもなる月での暮らしに体も変調をきたしている。相棒はロボットのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)。作業中に事故が起こる。サムが気付いたときには診察台の上。でも、何かおかしい。何かが起こっている…。そして…事件は起こった。
星にひとりぼっちとか宇宙船に一人とかの物語、たまらんです、そのシチュエーション。登場人物はほとんど一人。地球にいる妻、娘がちょっと出るぐらい。あとは機械のガーディだけ。でも、このガーディが本当にいいやつで、ちょっと悲しいこの映画の救いになっている。ローラ・ダーンのお父さん、ブルース・ダーンのが主演の「サイレント・ランニング」の3台のドローンを彷彿とさせるけなげさ。映画のラストクレジットを観て、その声がケヴィン・スペイシーであることを知る。彼だったら、アンドロイド役で顔出しでもいけたと思う。ある意味、ロボット的雰囲気…(笑)
SF好きなら、「2001年〜」的でもあり、「サイレント〜」的でもあり、「アウトランド」的でもあり、手塚治虫のSF漫画的でもあるこの映画はかなり楽しめるはず。月面基地の描写もらしいし、月面車もいい。採掘の機械も斬新で、あとはもっと登場人物が出てくればちょっとした大作にもなり得たと思う。ラストがありがちではあるが、正当派SFとしておすすめな秀作です。