Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

大脱走 -No.2 -p421

NHK-BS(初見は小学6年生頃の「水曜ロードショー」の2週連続放映で),☆5(これを5にしなかったらどうする!)
この2週間ほど続いているNHK-BSのマックイーン特集。彼の命日11月7日には「大脱走」を放映された。捕虜収容所から脱走しバイクを走らせる彼の姿は、まさに精神の自由を目指した彼の生き方を象徴しているといえよう。
第2次世界大戦下、ドイツ軍の第3空軍捕虜収容所に収容された連合軍捕虜たちが、脱出不能と言われたこの収容所から集団で脱走した。その史実を元にしたオールスター戦争映画がこの「大脱走」。エルマー・バーンスタインの「大脱走マーチ」は誰もが知っていて思わず口ずさんでしまう。
小学校の高学年になって「宇宙戦艦ヤマト」以外の映画に興味を持ったのが、親と一緒にTVの洋画劇場で観たこの映画が最初。前編後編と2週にわたっての放映だったが、前編のあまりのおもしろさに後編の週が待ちきれなかったことを覚えている。この映画はあまりにも有名すぎて、名シーンばかり。よかったところをあげれば、それこそ全部となってしまい、映画を観よ、としか言えなくなる(笑)。ということで、いつもの名場面はあえて書かない。
もっとも印象に残っているシーン。ジェームズ・ガーナー演じる調達屋=ヘンドリーが失明した友人の偽造屋=コリン(ドナルド・プレザンス)と共に飛行機を奪って逃げるところ。奪った飛行機はドイツ国境からあともうちょっとでスイスに入るというところで燃料切れで不時着。不運にも目の見えないコリンはドイツ兵に銃撃されてしまう。小学生だった自分は、切なくて切なくて涙が止まらなかった。
先のNHK-BSで「プレミアム8<文化・芸術> 世界史発掘! 時空タイムス編集部『映画“大脱走”の真相 明らかになる謎のスパイ組織』」を観たら、史実としての「大脱走」には知られざる陰のスパイ組織が関与していたという。ドイツ兵の賄賂用の物資、逃走用の証明書など映画の中では簡単に出てきた品々は、実は米国本土の米軍の秘密部隊MIS-Xの支援だったらしい。ジェームズ・ガーナーが調達してきたとずっと思っていただけにショックだった(笑)。

ジョン・スタージェス監督がオールスター・キャストで贈る戦争映画の傑作。63年の公開時と変わらぬスリリングな躍動感が楽しめる。(JB)」(死ぬまでに観たい映画1001本)

所有の「大脱走」のサントラには、ドイツ兵が脱走した数十人の将兵を射殺したのはルール違反だ、というような解説があったが、先のドキュメント番組で、捕虜のスパイ行為はジュネーブ条約違反というような説明があった。見方や立場が変われば、その評価が変わるといういい例だ。
そんな意味も含めて、敵のドイツ空軍の収容所長は、立場をわきまえたこの映画の中で最も好きなキャラクターといえる。


追悼、スティーブ・マックイーン