Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

久しぶりに戦争スペクタクル

映画鑑賞も病気みたいなもので、観たくなると止まらない。ということで今度の夜中の映画は、先日購入のDVD、リチャード・アッテンボロー監督「遠すぎた橋」。
14大スターのクレジットとともに明るいマーチ曲「遠すぎた橋」のテーマが流れ、映画は始まる。「史上最大の作戦」のノルマンディー上陸作戦は成功したが、このマーケット・ガーデン作戦は、史実では失敗したのだそうだ。ストーリーは単純なのだが、登場人物が多いから、きっと話は見えないと思いきや、これが意外とわかりやすい。出てくるのは男ばかり。「アラビアのロレンス」のようなもの。そりゃ、そうだ、戦争スペクタクルだから。
国や所属や階級が違う将校や兵士が大勢出てくるが、それは深く考えなくても大丈夫。見ているうちに話の流れがわかってくる。若き日のショーン・コネリージーン・ハックマンライアン・オニールジェームズ・カーンマイケル・ケインロバート・レッドフォード、ローレンス・オリビエ、アンソニー・ホプキンス、その他いっぱい。ラストクレジットを詳細に見たら、知っている俳優はもっともっといるだろうね。有名俳優のエピソードが中心に描かれるが、その積み重ねで見えてくる連合軍敗退した作戦の全体像。こんな映画見たのは久しぶり。圧倒的な人と物量。明らかに特撮だとわかる場面は少ない(気がした)。だって、本物の戦車がいっぱい。延々、ロケ撮影。CGなんて無い時代だから、全部本物(だと思う)。橋の奪回とか死守といえば、スピルバーグの「プライベート・ライアン」もそうだったが、この映画を見ないでスピルバーグはすごいなんては言えない。画面いっぱいの輸送機の大編隊。そこから降下する空挺部隊の落下傘もいっぱい。オランダの平地大平原の一本道に並ぶ戦車やトラック、装甲車。それも延々。「史上最大の作戦」はモノクロだったから、スケールの大きさの割に地味な印象だったけど、「遠すぎた橋」はカラーだけど派手じゃない。スターがいっぱいで内容が中途半端な映画かと不安もあったが、全くそんなことはなかった。3時間の大作だが、結局、途中休憩なしで見終わってしまった。それほど引き込まれる映画。ラストシーンが印象的。決して、ドイツ軍=悪、連合軍=正義という単純な描き方じゃないので、人間ドラマとしてみても、かなり出来のいい映画だと思う。わざとらしい感動エピソードが入っていない分、硬派な仕上がり。場面を必要以上に感情的に盛り上げる音楽もなく、オールスターキャスト作品とは思えぬ地味さ。これぞ、映画だと思った。