Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

見られなくなるということ

2年前の冬、機器が壊れて見られなくなる前にと、せっせと8ミリビデオテープのDVD化をしていた。ほとんどが成功したのだが、テープ自体の劣化でDVD化どころか、早送りも巻き戻しもできない状態のテープが2本だけ残った*1。先日、Webで、再生できなくなったテープを格安でDVDに変換できる業者を見つけて問い合わせたところ、とりあえず送ってくれとのこと。ダメだったら、その時はしょうがないと、送ってみた。そしたら、たいした障害ではなかったらしく、DVDとなって帰ってきた。結婚前の夢男たちの若かりし頃。長女が生まれて1年たった歩き始めた頃の映像。もう見られないと思ってた。うれしかった。
話は変わって、昨年、1年間撮りっぱなしだったデジカメの画像。毎年、年賀状が一段落した後、農閑期にまとめてオンラインプリントしている。今シーズンもそう。ところが今年はなんだか空気が違う。アルバムに貼ってある昔の写真を見ると、子供たちの成長が例年に増して感じられるのは予想できる範囲だったとしても、夢男と嫁さんの「劣化」をこれほど感じるシーズンもなかったということに気づいたのだ。特別どうなったというわけではない。でも、28歳の頃は、もう戻ってはこないということに気づいたのだ。
アルバムを見ていて、別なあることにも気づく。プリントによっては、褪色がかなりひどいのだ。F社やK社のプリント用紙は問題ないのだが、ある隣町のラボのものだけが、ひどい。用紙を見ると先ほどのものに比べて、明らかに低品質。○○分仕上げで急いでプリントしたものばかりだ。金額だけは、大手のものと同じだったのに・・・。今まで気づかなかった。写真プリントも人も劣化している以上、過去の空気を保っているのはのはフィルムネガしかない。幸い、所有の複合機は、今や貴重品のCCDセンサスキャナ搭載機*2。透過原稿対応なので、スライドやネガもOK。ネガスキャンに挑戦してみようかと考える。写真はそれほど詳しくないし、スキャンという性質上完璧には無理。許せる範囲の品質(これが難しいのだ)で、どんどんスキャンできればいい。そんなことで始めてみた。
C8180は、Win、Macの両機種対応。単体で使うぶんには、タッチパネルでの操作ということもあって本当に使いやすく、以前使っていたCIS方式のスキャナと異なり、ちょっと浮いた原稿(くしゃくしゃになった新聞)でも、その紙のしわまではっきりとスキャンしてくれる。これだったら、スキャンもやる気出るというもの。ところがPC連携となるとちょっとひどい。まず、だめなのがMac用のユーティリティソフト。プリンタドライバはともかくとして、そのほかのソフトは使う気もしない。Winは、たいていの機器の対応状況と同様、機能的には充実はしているが、使い勝手は悪い。今回、試しにネガフィルムのスキャンをしてみて、さらに納得してしまった。使い勝手が悪いだけならまだ我慢できるが、手間かけてネガスキャンした結果が満足できなかったら意味がない。取り込んだ画像をレタッチソフトでいちいち補正しなければならないのなら、スキャン作業自体、断念しそう。それぐらい、操作と設定が大変だった。雑誌に載ってた最近、複数機種販売されている1〜2万円程度のの廉価版のフィルムスキャナなんかだったら、安くてよさそうと調べてみたら、やはり無駄になりそうで買えない。そんな中、汎用のスキャンソフトがあることを知る。
「Vuescan」がそれ。Mac、Winは当たり前で、Linuxにも対応しているらしい。純正がサポートしていなくても動作してしまうという。それも、なかなかよいスキャン結果も出すらしい。試用版が出ているので使ってみることにする。せっかく安定しているWin環境に入れないで、Mac版をダウンロード。アプリ本体だけなのでそのまま使える。入力インターフェイスSCSI/USB/ファイヤワイヤーという記述を見落とし、心配しつつ立ち上げてみたら、なんと、何もせずに使える。C8180はネットワーク接続(有線)なのに・・・。驚き!。これまたインターフェースにくせがあるソフトだが、スキャン結果が案外いいので使ってみることに。さっそく、$39.95のスタンダード版をレジスト。この冬は、伝票打ちしながら、ネガフィルムスキャンの日々となりそう。まあ、これも「見られなくならないように活動」の一環。残せるものは残そう。無くなる前に。

*1:SONY製Hi8テープME

*2:HP Photosmart C8180