Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン…』はオッサン心をくすぐる

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (字幕版)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』☆4

先日、ゴールデングローブ賞で俳優のブラッド・ピット助演男優賞の受賞が話題になってたので、レンタルが始まったApple TVで観てみた。2月末にはアカデミー賞も控えているわけでここで観ないと授賞式は楽しめないと思うからね。

こんな感じ。
「落ち目のかつての西部劇スター俳優演じるレオナルド・ディカプリオとその専任のボディダブルを演じるブラッド・ピットが主人公。で、その二人を中心にマーゴット・ロビー演じるもう一人の主人公、女優シャロン・テートが1969年のハリウッドをさわやかに駆け巡る。 そして運命のあの日に近づいて行くのであった」

僕たちの年代は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン…」と聞くと、ある映画を思い出す。後に続く言葉は「アメリカ」。そう、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だ。セルジオ・レオーネ監督、ロバート・デ・ニーロの主演の20年代アメリカを舞台にしたギャング映画。美しいジェニファー・コネリーが踊るところを少年が盗み見るシーンがとても印象的で、エンニオ・モリコーネの音楽も忘れられない。“アマポーラ”はとても美しい曲。


Once Upon A Time In America - Noodles peeping scene (1080p)

で、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』なんだけど、監督のクエンティン・タランティーノが先の『ワンス…アメリカ』のファンだし、セルジオ・レオーネ監督がかつて撮ったマカロニ・ウエスタンがキーワードになっているし、僕が『ワンス…アメリカ』の方を連想してしまったのは、あながち間違ってはいないようなのだ。

タランティーノお得意の懐古主義というか、昔の映画は最高だぜ!主義というか、彼のこれまでの作品を見た限りでは、『イングロリアス・バスターズ』に近いものがある。平行した世界が映画の中で次第に収束して行くのだ。映画の雰囲気も決して悪い感じはしない。

なこよりもこの映画が嬉しいのは、主演のレオナルド・ディカプリオブラッド・ピットのおじさん二人組を見ているだけで元気が出てくるのだ。かつて活躍した僕たちなのに今はなんてざまだ…。と、思うそこのおじさん、元気が出るからだまされたと思って見てみな。

さらに悲運のイメージしかない女優シャロン・テートを少しでもいい印象に思うことができたので、何よりも良い映画だったのである。

今日のこと。『文藝 2020 春号』のこと。

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雨ばかりなので写真が撮れない。同じような風景だから例の11月のフィルム写真をあげとく。

今朝、少しだけ雪が降ったけどすぐに消える。暖かいんだな。それもあるのかどうか、どういうわけか今年は布団の掛け物が少なくても平気なことに気がついた。年取ってきたから寒いはずなのに、昨日なんて1枚余計に掛けたら、逆に寝苦しくて夜中に起きてしまった。その時、夢で誰かが僕の布団の上にまたがってて、それがとても重くて自分でも分かるぐらい唸ってて起きたのだ。そのせいか、何だか眠いや。

お昼前にキュウリ組合の役員会に行って今シーズンの出荷反省会の段取りを決める。役員の人たちとは久しぶりに会ったのでお互い近況報告。やっぱり雪の少ない話は出るわな。まさに今シーズンの時節の挨拶だ。その人のスキー場のバイトもないらしい。雪国の暖冬は越冬野菜の凍結も招くし、田舎泣かせだね。


文藝 2020年春季号

文藝 2020年春季号

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 雑誌

それにしても『文藝 2020 春号』の面白さは半端ない。最近は近代の日本・中国の近代史関係をよく読むので、それがSFと融合ときたらたまらない。

ケン・リュウの『宇宙の春』は抽象的で難しかったけど、登場するこの駅の写真を見れば、そんなことはすうっと氷解する。
ja.wikipedia.org

佐藤究『ツォンパントリ』。孫文が主人公。史実のもしかしたらの裏側から見た世界。

王谷晶『移民の味』。未来ギョウザはやっぱり旨いのだ。おじさんは未知の世界に足を踏み入れたのかも。

閻連科『村長が死んだ』。既読の『年月日』とは違う味わいの中国農村のお話。横溝正史金田一シリーズを連想してしまったぐらい。

あとはこれから。

嬉し不安な暖冬

年が明けてから早くも10日が過ぎてしまったけど、まだまだ雪は降りそうにない。大雪で苦労している常だからほっとしている反面、いつもと違うことに不安がないわけではない。人に会うと「雪ふんねくていいねえ」という機会は多いのだけど、人を見て言わないと嫌味になってしまうので気を付けないといけない。例えば、除雪の仕事の人とか、スキー場のの関係者。そんな中、仕事が楽なことをいいことに僕の『失われた夏』を取り戻すべく、日夜、事務仕事の合間を縫って趣味に勤しんでる。

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いつもは雪の中の裏の小屋もごらんの通り。本当はモノクロフィルムで陰影を際立たせて撮りたい被写体なのだけど、雪がないのだから仕方がない。これは昨年11月末の写真だけど年明けた今もおんなじ。この時はとても光が良かった。

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同じ時期の田んぼの写真。降っても15センチぐらい。本来ならば雪になるべきなのに季節外れの雨降りですぐに消えてしまう。雨降ってばかり。それらは温暖化だとしてもできることしかできないわけで、それだったら夏にできないこと、今までやりたかったこと、やるしかない。いや、やるべきだ。

暗雲立ちこめる空がすかっと青く晴れわたる未来を信じて。

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