Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

「夜のスクリーンミュージック」は映画音楽の魔術師なのだ!

「夜のスクリーンミュージック」は1980〜83年までの土曜の夜、10時20分から11時までNHK FMで放送されていた映画音楽番組なのです。DJは関光夫氏。彼の『夜のスクリーンミュージック!』と番組タイトルが読み上げられるとヘンリー・マンシーニの「The Greatest Gift」が流れる。ナレーションが始まる。こんな風に・・・(https://youtu.be/uTSQr7qOMig

「草むらに虫の音をしみじみと秋を感じさせた空き地にマンションが建った。もう虫の音を近くで聞くことはできない。虫たちはどっかへ移動したのだろうか。それともマンションの陰で泣いているのだろうか。」   
「幾らかの感傷を胸にやってきた土曜の夜の訪問者。お元気ですか。関光夫です。はあ、腹の虫が鳴っている人もいますね。」

  (夜のスクリーンミュージック 第109回放送 (1982.09.18)  「スリル・サスペンンス そして…」より)

この回は、グレース・ケリーが自動車事故で亡くなった追悼があって、映画「上流社会」から「トゥルーラブ」がかかってからの特集「スリル・サスペンンス そして…」が始まったのでした。

土曜の夜ということで永らくこの番組の存在を知らなかった中学生の僕。定期購読始めたスクリーン誌の氏の連載で知ることになった。土曜洋画劇場を見ながら裏でラジオをエアチェックする毎週の作業。どうしても特集を選んで番組を聴くことになりがち。今思うととてももったいないことをしてしまったと思う。

この特集「スリル・サスペンンス そして…」は、今でも残してあるぐらいのベスト特集。特集の1曲目は「ダイヤモンドの犬たち〜メイン・タイトル」 https://youtu.be/xdc-ezXxfuI (→レコードの回転が速いみたい)。3曲目は「バンクジャック」。クインシー・ジョーンズが音楽担当でリトル・リチャードの歌う「Money is」 https://youtu.be/YfhDbTY19AE はとてもゴキゲンな曲(笑)。

そして問題の4曲目。「ペーパータイガー/太陽にかける橋」のメインテーマ https://youtu.be/w96qDeEMyug 。音楽はロイ・バッド。演奏はロンドンロイヤルフィルハーモニー。こういう映画音楽は大好物なのだ!

太陽にかける橋/ペーパー・タイガー [DVD]

ペーパータイガー/太陽にかける橋
BS日テレ(初見)、☆3

先日、偶然にもBSで見ることができた。監督は「史上最大の作戦」の4人の監督の一人、ケン・アナキンデヴィッド・ニーヴン三船敏郎が主演。「東南アジアのとある国。三船演じる日本大使の息子(子役:安藤一人)と英国人の家庭教師デヴィッド・ニーヴンおじさんが誘拐される。大戦中の英雄が一緒ならばと少年は安心するが、事件は思わぬ方向へと進んでいく」。
オープニングクレジット。ロンドンロイヤルフィルハーモニーの感動的重厚的音楽に、ブリティッシュ・エアウェイズのジャンボ機の飛行風景がこれでもかとばかりに映されるので期待が高まらない訳がない。でも、子役が実は一番上手いのがツラい。わりと面白かった。昔の映画は愛せるのである。

このような音楽先行型の映画鑑賞。関光夫氏の「夜のスクリーンミュージック」マジックなのである。