Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

「ラ・ラ・ランド」のこと

Ost: La La Land

ラ・ラ・ランド
ユナイテッド・シネマ(初見)、☆4

子供たちが小さい頃は時々だけどアニメの映画を家族みんなで見に行った。家でディズニーのビデオを見るのと違ってとてもワクワクする楽しさがあった。皆が大きくなった今は家族で劇場で映画を観ることはほとんどない。家で子供たちが若い人向けの恋愛ドラマを見ているときにあれこれ言おうものなら、お父さん黙って、と言われる。悲しいんだけどそれが現実だ。最後に見た家族映画は「ドラえもん のび太の恐竜」か。このドラえもん映画は、ピー助という首長竜を玉子から育てて、それをいつものメンバーが恐竜の世界に戻してあげるというとてもいい話で、コミックスで自分も小学生の頃に読んでいたから、映画は割と原作に忠実で素直に感動した。映画を観たあと、家族皆で映画の感想を話せたのはとても楽しかった。幼かった子供たちとの忘れられない思い出だ。

次女が「ラ・ラ・ランド」を見たいと言った時、子供たちはちょっと前とは何かが違う、変わったと思った。そして半分冗談で「みんなで行くか!」と言ったら「いいね!行きたい!」と娘達は言った。「ほんとに俺と一緒でいいの?」「映画が観られるのなら別にいいよ」。そうか、このチャンスを逃してはならないと思った僕は、すかさず計画したのだ。家族みんなで「ラ・ラ・ランド」を見るのだ! 昔、家族で見た映画の楽しさとあの感動をもう一度・・。我が家のというか、僕の夢を叶えてくれる待ちに待った映画のだと思えたのだ。

娘という生き物は本能的にオヤジが嫌いである。これは誰にすり込まれたというわけではなくて遺伝子がそうさせるのだ、などどあやふやな怪しい説明であっても、全面的に信用してしまうぐらいな事実である。それなのにそれを覆すような「お父さんと一緒でもいいから『ラ・ラ・ランド』を見たい」。これぞ、奇跡の展開である。

この映画がゴールデングローブ賞を総なめする前から、僕はこの映画のサントラを聞いていて、この映画に惹かれていた。だって、音楽がメロディアスで、エマ・ストーンの笑い声が入っていて、とても楽しく悲しく美しかったから。自分が思うミュージカル映画そのものだった。間違いなく、僕の見たい方向のミュージカル映画だ。予告編もよくできてる。傑作だ。まだ観てなけどもそう確信してしまったのだ。そしてその映画が僕と娘たちの向かう先を変えてくれそう・・。そんな風に考えると映画を見に行く日がとても待ち遠しかった。

そんなこんなで先日、家族で「ラ・ラ・ランド」を観に行くという、それこそアカデミー賞でも取れそうな計画が実現したのだった。興味なさそうな中学生の息子、行きたがってた紀伊国屋書店にも連れてってやるからと工作した甲斐があった。
ラ・ラ・ランド」はおおむね予想したとおりのストーリーだったけど、これまた予想どおり僕は感動した。いろいろ言われているのは知っていたけど、映画そのものは割とよかったと思う。映画の内容だけじゃなく、なによりも久しぶりに、そしておそらく最後であろう家族皆での映画観賞だったから・・。
エライ人がいろいろと批評しているけど、そんなことは問題でない。映画は見て感じたものの勝ちなのだ。