Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

農閑期の映画・その2 〜 「雨に唄えば」

雨に唄えば
DVD(初見)、☆4

雨に唄えば 製作60周年記念リマスター版 [Blu-ray]

昨日、あまりにも有名な映画をようやく観ました。誰でも知ってるあの曲の映画なのに内容は全くといいほど知らなくて、現在公開のミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」を観る前には観とこうと思って。「雨に唄えば」のスチールはモノクロで見ることが多くてそのイメージが抜けなくて、実は切ない恋愛ものなのかと思っていたら大間違い。実際に映画を見たらその原色に圧倒されました。サイレントからトーキーに移ろうとしているハリウッドの映画製作の裏舞台を三人の映画に関わる若者を主人公に描いた映画。映画を愛する人たちのための映画。映画賛歌。このひとことに尽きますね。

ドン役のジーン・ケリーは既にフランスのミュージカル映画ロシュフォールの恋人たち」でそのすばらしさは知っていたのだけれども、この「雨に唄えば」を見なくては始まらないわけで、ここから十数年経った「ロシュフォール…」の歌と踊りは全く衰えていなかったということがわかりました。彼はスタントマンを使わなかった俳優だとか。事実、この「雨に唄えば」でもそれらしいエピソードが描かれています。
もう一人忘れてならない俳優がキャシー役のデビー・レイノルズ。下積みの女優役で悪声の女優の吹き替えで注目される役がとてもかわいらしい。”Dreaming of You”のなんとプリティなこと♪ 昨年亡くなったのだけれども、同じく亡くなったキャリー・フィッシャーの実の母です。

雨に唄えば」のシーンはキャシーと別れて家に帰る途中、土砂降りの中で濡れるのもかまわず歌い踊るあのシーン。いろんな場面でパロディされる有名すぎるシーン。すばらしい!! でも僕はこの映画の好きな場面は、ドンとキャシーが誰もいない撮影スタジオで歌って恋を語る"You Were Meant For Me"かな。スタジオの偽物の夕焼け空の美しさ。カメラが引いたときのスケール感。スタジオは巨大なんだ! オープニングの黄色いレインコートの三人が歌うテンポの速い「雨に唄えば」もいいですなあ。

映画自体は今から見るととても古くさく、ストーリーも使い古された感じで、時代遅れで陳腐な感じなのだけど、当時は当然斬新だったわけだよね。でも、今、見てもとても楽しい映画。とにかく劇中、歌や踊りをやってる人たち、映画を作っている人たちが楽しそう。なんといってもこの映画の作り手達の映画への愛があふれてる。同じ映画への愛ということでは、方向が違うけど「ニューシネマパラダイス」に匹敵しますね。というか、そんなふうに比較していいのだろうかww。

間違いなく、僕のミュージカル映画、暫定ベスト5に入る(入れなくてはもぐりか)作品なのは間違いないです!!

映画として、あるいは映画以上に価値あるものが『雨に唄えば』にはある(JKI)(『死ぬまでに観たい映画1001本』より)