Farmer's Talk Pop

(2018年12月末、はてなダイアリー「夢男のファーマーズ・トーク」を統合しました)

若者はひたすら夢に向かうのだ…「フェーム」

フェーム

初見(妄想では何百回も見てる。笑)、☆5(思い入れをかなりプラス)

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自分の夢って、なんだろ…。実はいまだによくわからない。こんな親父になっても「夢がわからない」なんて言ってたら「そんなのでいいのか!」と言われそう…。でも、わからないのだ。
結婚できた。子どももできた。仕事もそれなりにうまくいってる…。じゃあ、夢はなんだ。農業を大規模にすることか。もっともっとお金を稼ぐことか。それとも、もっと女子にもてることか(笑)。違うんだなあ、夢というものは…。


中1の僕は、夢が、いや、言い換えれば将来が見えなかった。中学校を卒業して、高校に行って、それからどうなるのか、全く見当がつかなかった。そんな時、出会ったのがこの一枚のレコード、映画「フェーム(Fame)」のオリジナルサウンドトラック盤なのだ。


"fame"とは、 名声、高名、声望…有名になるってことだ。この映画はニューヨークの公立芸能学校に通っている若者たちの入学から卒業までを、青春物語のように、またドキュメンタリー風であり、ミュージカル風にも描いている。音楽も軽快なpopsであり、rockでもあり、classicalでもあり、jazzyでもあり、gospelでもある。白人もユダヤ人も黒人もラテンなど人種は多種多様。まさにごった煮。でも、ここの若者たちは、皆、将来の"fame"を望んでいるのだ。


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よく「レコードがすり切れるまで聞いた」というフレーズを聞くが、僕にとってこの映画のサントラ盤こそが、それに値する唯一の音楽と言ってもいい。アニメや日本のポップスを聴いていた僕が洋楽に向かうきっかけ、いや、ジャズやゴスペルに目を向けるきっかけとなった音楽なのだ。

この音楽は衝撃的だった。アカデミー賞の歌曲賞をとったというアイリーン・キャラの「フェーム」は紛れもなく名曲だと思う。後に彼女は映画「フラッシュダンス」の主題歌「ホワット・ア・フィーリング」で世界的に有名になるけど、僕はこの「フェーム」がとても印象深く、彼女と言えばこの曲しかないと今でも思ってる…。

中学生の当時、この映画は観ていない。田舎の映画館にはこの映画はこなかったのだ。ビデオなんか普及してない時代。だんだんと大人になるにつれて、いつしか、このレコードや映画のことを忘れた…。


先日、いつもの通り、iTunes Storeをのぞいていたら、黒地に赤の"Fame"という文字が目に入った。映画「フェーム」が追加されたのだ! 40を過ぎてる親父の頭の中に中学時代の電気が走った(ように感じた)。忘れていた感情があふれてきた!

そして、妻とこの映画を見た。つまらない映画はつまらないとはっきり言う妻が、画面にずっと見入っていた。

年代的にはこの映画の主人公たちの親の世代であり、中学で吹奏楽をしている僕の娘のことを考えると、この映画は子どもたちのこれからの物語であるのだ。でも、これはまさしく僕の中学時代の一部でもあるのだ…。


映画でアイリーン・キャラ演じる"ココ"はこう歌う。

Sometimes I wonder where I've been
Who I am, do I fit in
Make believin' is hard alone
Out here on my own


We're always proving who we are
Always reaching for that rising star
To guide me far, and shine me home
Out here on my own


When I'm down and feelin' blue,
I close my eyes so I can be with you
Baby be strong for me, baby belong to me
Help me through, help me need you


時々、わたしは自分がどこにいて、何者なのか、周囲に馴染んでいるのか
不安になる
ふりをすることは厳しい孤独
ここでは独力でやらなくてはならない


わたしたちはいつも自分たちが何者なのかを証明しようとして
いつも登っていく星を目指す
その星は遥か彼方で私を導き、家にいる私に輝いている
でも、わたしは、ここでは独力でやらなくてはならない


わたしが落ち込んで気分がブルーの時に
あなたと一緒にいられるように目を閉じる
ベイビー、わたしを強く守って 一緒にいて
助けて ずうっと あなたが必要なの


(「Out Here On My Own」より
 マイケル・ゴア/レスリー・ゴア作)

引用: http://ameblo.jp/samurai-yankees/entry-10161991707.html


IRENE CARA - Out Here On My Own [from FAME ...


子どもでも、大人になっても、自分でがんばらなくてはならないのだ…
子どもでも、大人になっても、夢はあったり、なかったりするのだ…
子どもでも、大人になっても、一人ではつらいこともあるのだ…